

言葉、とくに話し言葉の場合、語句や文法だけではなく、身振りとか表情などが十分にものをいうのならば、たとえ私たちのつくる英文がかなり稚拙であっても、十分にコミュニケーションの役にたつのである。もしそうであるなら、発音の時の「日本人特有のアクセント」と同じように、意向を示す内容を話す時も、「日本人特有の話し方」があってもよいのではないか、という気がしてくる。夏休み中をどう過ごしたかと聞かれた外国人が、その状況を説明しているが、日本人は区切りのたびに、ただ“Yes”を繰り返す。よくある風景だが、これが滑稽だといわれる。アメリカ人など、相手の話を聞く態度にそのような習慣がない人々にとっては、これはまったく滑稽以外のなにものでもなかろう。しかし、日本人の相手に対する気配りからすると、日本人にとってはもっとも大事なことなのかもしれない。これは日本人の心理的側面が行動に表れた現象なのだが、これも発音の日本人的アクセントと同じように許される面であろう。それは気持ちが相手に十分に伝わるし、内容的に誤解されることがないからである。
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